広告(PR)を含みます

入居者入替えの鍵交換は自分でできる?|シリンダー交換の手順と、大家がやってはいけない線引き

最終更新: 2026-08-31|DIY大家ナビ編集部

結論:多くの玄関ドアの鍵交換は「シリンダー(鍵穴の筒)だけの交換」で済み、プラスドライバー1本のDIYで対応できる場合があります。構造としてはドア側面のフロントプレートを外し、ピンを2本抜いてシリンダーを入れ替えるだけ、というものが少なくありません。ただし、作業そのものより前に成否の9割を決めるのが「いま付いている錠のメーカー・型番の特定」です。ここを間違えると、届いたシリンダーがドアに合わず、返品と再注文で入居募集が遅れます。

この記事は、退去が出て「次の募集までに鍵を替えたい」という大家さん向けに、シリンダー交換の手順と、DIYでやってはいけないケースの線引きをまとめたものです。

この記事でわかること:①「鍵交換」と「シリンダー交換」の違い、②入居者入替え時に大家が鍵を替える理由と費用負担の考え方、③型番特定→交換の6ステップ、④費用の目安(DIYと業者依頼の比較)、⑤賃貸中の勝手な交換など、やってはいけないこと。

まず定義:「鍵交換」の多くは「シリンダー交換」のこと

シリンダーとは、鍵を差し込む「筒」の部分です。ドアに埋まっている錠前本体(錠ケース・ラッチ・デッドボルト)はそのまま使い、鍵穴の筒だけを新品に入れ替えるのが「シリンダー交換」で、入居者入替え時の鍵交換は通常これを指します。錠前ごと交換したり、ドアに新しい穴を開けたりする工事とは別物で、難易度も費用も大きく違います。

シリンダーだけの交換であれば、ドアへの加工は発生せず、原状も変わりません。逆に、錠ケースの故障・ドアの建付け不良・電子錠化などはシリンダー交換では解決しないので、この記事の範囲外=業者領域と考えてください。

なぜ入居者入替えで鍵を替えるのか(費用負担の考え方)

前の入居者が合鍵を作っていた可能性は、退去立会いでは確認しきれません。入替え時の鍵交換は、次の入居者の安心と物件管理のための作業です。費用負担については、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」で、入居者の入れ替わりによる鍵交換は物件管理上の問題として貸主(大家)負担とすることが妥当とされています(紛失など借主に原因がある場合は借主負担が一般的。契約の特約により扱いが異なる場合があります)。

大家負担が基本だからこそ、1戸あたりの交換コストを下げる工夫に意味があります。シリンダーをDIYで交換できるようになると、部品代だけで済み、退去のたびに発生する固定費を圧縮できます。

シリンダー交換の6ステップ

  1. フロントプレートの刻印を確認する:ドア側面(ラッチが出ている面)の金属プレートに、メーカー名(MIWA・GOAL・SHOWAなど)と型番の刻印があります。スマホで接写しておきます。
  2. ドアの厚みを測る:対応ドア厚がシリンダーごとに決まっています。ドア厚を測らずに買うのが典型的な失敗です。
  3. 対応シリンダーを購入する:刻印のメーカー・型番と対応ドア厚をもとに、「〇〇(型番)対応 交換用シリンダー」を選びます。迷ったら現物のシリンダーを外してから、同じものを注文するのが確実です。
  4. フロントプレートを外し、ピンを抜く:ドアを開けたまま作業します。プレートのネジを外すと、シリンダーを留めているピン(棒)が見えるので、ラジオペンチなどで抜きます。抜いたピンとネジは無くさないように容器へ。
  5. シリンダーを入れ替え、ピンを戻す:外側からシリンダーを引き抜き、新しいものを同じ向きで差し込み、ピンとプレートを元に戻します。
  6. ドアを開けたまま動作確認する:鍵の抜き差し・施錠・解錠を必ずドアを開けた状態で確認します。閉めてから不具合が出ると締め出されます。問題なければ、新しい鍵の本数を記録し、旧シリンダーは次の現場の練習用か処分へ。

費用の目安:DIYなら部品代だけ、業者なら出張・作業料が乗る

方法費用の目安向いているケース
DIY(シリンダーのみ購入)部品代のみ。一般的なギザ刃キーのシリンダーで数千円〜、防犯性の高いディンプルキーで1万円台〜が市場の目安型番が特定できた/一般的な錠前/退去から募集まで時間がある
鍵業者へ依頼部品代に加えて出張・作業料がかかり、合計1.5万〜3万円程度が目安とされることが多い型番不明・特殊な錠前・即日で確実に済ませたい・戸数が多い

金額は地域・錠前の種類で変わるため、あくまで目安です。当サイトの物差しである6万円=1,000円換算則(修繕原価6万円=家賃1,000円アップ相当・5年回収を内包)で考えると、鍵交換は家賃を上げる工事ではなく、退去のたびに発生する管理コストです。だからこそ換算則で決めた部屋ごとの予算枠を食わないよう、DIYで部品代まで圧縮する価値があります。試算は換算則ツールでできます。

🔧 運営者のイチ推し

交換の前に:鍵が「回りにくいだけ」なら、鍵穴専用の潤滑スプレーで直ることがあります

退去後の点検で「鍵が渋い・回りにくい」だけなら、交換の前に鍵穴専用の潤滑スプレーを試してください。私も現場で使っていますが、専用品は効果が長持ちし、鍵がベタつきません。食用油やCRCのような一般の潤滑油を鍵穴に注すと、ホコリを呼んで固着の原因になる場合があるので、必ず鍵穴専用品を選んでください。入替え時はシリンダー交換、日常管理は専用スプレー、という使い分けです。

楽天で鍵穴専用潤滑スプレーを見る Amazonで鍵穴専用潤滑スプレーを見る 楽天で交換用シリンダーを見る Amazonで交換用シリンダーを見る

DIYでやってはいけないこと(ここは業者・管理会社へ)

⚠ 鍵は入居者の安全に直結する設備です。交換後は必ずドアを開けた状態で施錠・解錠を確認し、少しでも引っかかりがある場合は使用を続けず原因を確認してください。費用や負担区分は契約内容・地域慣行により異なります。契約に関わる判断は、管理会社や専門家にご相談ください。
→ 自分の物件に合う修繕は? 30秒診断へ

この記事のまとめ(大家の判断ブロック)

結論
入居者入替えの鍵交換の多くはシリンダー交換で済み、型番を特定できればドライバー1本のDIYで対応できる場合がある。成否の9割は作業前の「メーカー・型番・ドア厚」の確認。
DIYでできる範囲
フロントプレート刻印の確認、対応シリンダーの購入、ピンを抜いての入れ替え、鍵穴専用スプレーでの日常メンテナンス。
専門家に頼む範囲
電子錠・カードキー・オートロック連動、廃番でドア加工が必要なケース、入居中の部屋に関わる対応(管理会社・専門家へ)。
費用の目安
DIYは部品代のみ(一般的なシリンダーで数千円〜、ディンプルキーで1万円台〜が市場の目安)。業者依頼は合計1.5万〜3万円程度が目安とされることが多い。地域・錠前で変わる。
家賃・利回りへの影響
鍵交換は家賃を上げない管理コスト。6万円=1,000円換算則で決めた部屋ごとの予算枠の外に漏らさないよう、DIYで部品代まで圧縮する。

あわせて読みたい

よくある質問

Q. 賃貸の鍵交換費用は、大家と入居者どちらの負担ですか?
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、入居者の入れ替わりによる鍵交換は物件管理上の問題であり、貸主(大家)負担とすることが妥当とされています。一方、入居者が鍵を紛失・破損した場合の交換は借主負担となるのが一般的です。実際の扱いは賃貸借契約の特約によって異なる場合があるため、契約書の記載を確認してください。
Q. シリンダーだけ交換すれば防犯性は上がりますか?
前の入居者の合鍵が使えなくなるという意味では、シリンダー交換だけで入替え時の目的は果たせます。さらに防犯性を高めたい場合は、ピッキングに強いとされるディンプルキータイプのシリンダーへ替える選択肢があります(一般的なギザ刃キーより部品代は高めです)。ただし錠前ごとの防犯性能はドアや建物条件にもよるため、「交換すれば安全」と断定はできません。心配な物件は鍵業者に相談してください。